(1) バイアス回路
図3・2の回路において,入力信号がまだ加えられていない場合を考える。バイアス抵抗R1,R2を適当に選び,VBEが図2・3(?)のカットオフ電圧より高くなるとベース電流IBが流れはじめ,同時にコレクタ電流ICが流れはじめる。このときエミッタ電圧VEはICのため,RE×IC(IBはICに比べてきわめて小さいので省略できる。)にまで上がるが,VBEがカットオフ電圧以上であれば,IBとICは流れ続け,回路は動作状態となる。このIBをベース・バイアス電流と呼び,同回路のREも含めたバイアス回路を電流帰還形と呼ぶ。このほかにも固定バイアス回路,自己バイアス回路がある。
ベース・バイアス電流の必要性は次のように説明される。(以下,直流に重畳される交流電圧・電流は小文字で表す。)図3・3において(a)のベース・