形の二種類があり,図2・24の記号で表される。外観は普通のトランジスタと変わらない。FETと普通のトランジスタの大きな相違は,2・3・2章で説明したようにトランジスタが電流で制御されるのに対して,FETは電圧で制御されるというところにある。そのためにFETの入力インピーダンスはきわめて大きく,接合形で107〜1011Ω,MOS形で1010〜1014Ω程度である。
2・4・2 FETの動作原理
図2・25は接合形FETの基本構造を示したものである。図のようにN形半導体の両側にソースとドレインと呼ばれる電極があり,その中間にP形のゲートと呼ばれる電極がある。
いま,図のようにソースとドレイン間に電池VDSをつなぐと,ソースに注入された電子は(+)のドレイン電極のほうに引きつけられ,ドレインからソースに向かって電流が流れる。この電流の流れる部分をチャンネルと呼び,この場合はN形半導体なのでNチャンネルと呼ばれる。次にソースとゲート間に,逆バイアス(ゲートが(-))になるように電池VGSをつなぐと,ゲート付近の電子は反発されて図に示すように空乏層を生じ,しかもこの空乏層は逆バイアス電圧が高くなるほど広がるので,ソース・ドレイン間の電流は制限を受けることになる。このことから,ソース・ゲート間に入力信号電圧を加えることにより,ソース・ドレイン間の電流(出力電流)が変化して,信号の増幅が行えることがわかる。ゲートにN形半導体をチャンネル部にP形半導体(Pチャンネル)を用いるものもある。ソースがトランジスタのエミッタに,ドレインがコレクタに,ゲートがベース