hi(=V1/I1):出力端子を短絡(V2=0)したときの入力インピーダンス(Ω)
hf(=I2/I1):出力端子を短絡したときの電流増幅率
hr(=V1/V2):入力端子を開放(I1=0)したときの電圧帰還率(トランジスタで増幅された出力電圧が入力側にわずかにあらわれる現象により,その値は10-4程度である。)
ho(=I2/V2):入力端子を開放したときの出力アドミッタシス(υ)
これらの定数は接地方式によって異なるので,それぞれの回路によってサフィックスを付ける。例えばエミッタ接地回路の入力インピーダンスはhie,ベース接地回路のときはhib,コレクタ接地回路の場合はhic,のように表す。
なお,h定数は低周波信号に対するもので,高周波信号に対してはy定数と呼ばれているものがある。
(5) 静特性
トランジスタの各接地方式において,入力,出力の電圧・電流の直流的な関係を示したものを静特性と呼んでいる。図2・23に規格表によく用いられるエミッタ接地回路の静特性の一例を示す。同図(I)はベース電流IBをパラメータとし, コレクタ・エミッタ間の電圧VCEとコレクタ電流ICの間の関係を示したもので,VCE-IC特性又はコレクタ特性と呼ばれる。この図からhFEとhoe求められ,また,トランジスタの動特性も同時に考察すること