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するとN形半導体は(-)の電荷を持った電子が少なくなるので、全体としては(+)となり、電子を引き戻そうとする。またP形半導体は(-)の電荷を持った電子が入ってくるので全体としては(-)となり、電子を押し返そうとする。したがって、P形が(-)、N形が(+)になった状態で定常状態に達する。このためP

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形半導体とN形半導体の間には電位差を生じていることになり、これを電位障壁と呼んでいる。また、接合面付近では、電子がホールを埋めているのでキャリアが存在しない領域がある。これを空乏層と呼んでいる。

このダイオードの両端に電極を設け、図4・6(b)のようにN形側に(+)、P形側に(-)の電圧を加えると、N形半導体中の電子は(+)電極の方へ引き寄せられてN形半導体の(+)電位は更に大きくなる。一方、P形半導体中へはホールを埋めようと電子が流れ込み(みかけ上はホールが(-)電極に引き寄せられる。)P形半導体の(-)電位は更に大きくなる。したがって電位障壁は大きくなり、また接合部付近のキャリアが不足して空乏層が拡がり、電流はほとんど流れない状態となる。

次に、図4・6(c)に示すようにP形側の電極に(+)、N形側の電極に(-)の電圧を加えると、N形半導体中の電子は接合面の方へ、P形半導体中の電子は(+)電極

 

 

 

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