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有害な火花とは,火花により整流子表面を黒化したり,あるいは傷をつけたり,またブラシに著しい摩耗あるいは破損をおこし特別な補修を行わなければその後の運転が行えない状態をいう。

火花の判定は,図2・24に示すような火花号数によって行う。

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有害な火花は,同図において5号以上と考えてよい。

整流試験の際における合格・不合格の判定基準としては,100%負荷以下では火花号数2号以下,常用通過荷範囲においては3号以下が妥当な値と考えられる。

 

2・3・7 温度試験

 

温度試験の一般事項については,交流発電機の2・2・8(1)項を参照のこと。なお,直流機の温度上昇限度についても2・2・8(1)に述べてある。

(1)試験上の注意事項

直流機として,特に次のことを注意する。

(a)温度試験を行う定格値

自己冷却式電動機で使用速度範囲の広いときは,定格出力と回転速度冷却効果を考慮し,温度的にもっとも苦しい定格での温度試験を行う。

(b)整流の確認

温度試験中,整流子の温度上昇とともに整流状態の変化がないかどうかも温度測定時に確めることが望ましい。

(C)ブラシの温度

ブラシの温度は,規格に規定されていないが,一般的に100℃を超えると,ブラシの摩耗が非常に増大するので,ブラシ圧力,振動等の再調整を行うとともに原因を調査すること。

(d)温度測定場所

構造上吸気が一方のみに限定するときは,電機子巻線では吸気側と排気側の温度差が非常に大きい場合があるので,できるだけ排気側の温度を測定すること。

(2)負荷のとり方と返還負荷法

温度試験のときの負荷方法は,電源及び負荷装置などの条件を考慮しなければならないが次の方法がとられる。

 

 

 

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