図1・2は一つの磁石で磁力線がN極からS極に向っている有様を示し,図1・3(a)は二つの磁石がN極同志向い合っているので磁石線が相反発し,図1・3(b)は二つの磁石のN極とS極とが向い合っているので磁力線の流れがN極からS極に向っていることを示している。したがって,お互いは反発しないで引き合っていることになる。このように磁力線の存在する空間を磁界といっている。そしてN極とS極の持つ磁気の量すなわち磁気量(又は磁荷ともいう。)は等しい。
この磁極間に働く磁力には次の性質がある。
この磁極間に働く磁力及び次の1・3で述べる電荷間に働く静電力のそれぞれの性質については,1785年にフランスの電気学者クーロンが,綿密な実験の結果発表した法則がある。
この磁極間に働く磁力には次の性質がある。
「磁力の大きさは,両磁極の強さの積に比例し,磁極間の距離の二乗に反比例する。磁力の方向は,両磁極を結ぶ直線上にあって,両磁極が同符号のときは反発し,異符号のときは吸引する方向となる」
これを磁極に関するクーロンの法則という。
このことを,図示すれば,次のようになる。