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10.2.5 結線図

電装工事の後半における重要な作業として、結線作業がある。

結線の誤りによる誤動作は機器の試験工程に多大な影響を及ばし、船の完工を遅らせる要因ともなりかねない。

結線図は、誤結線を防ぐと同時に、結線作業者の能率向上と船内試験担当者のチェックの効率化を計るため、わかりやすい図面とすることが大切である。

結線図は、一般に、装置別又は系統別に作成され、機器メーカー図の結線図及び端子配列図などを利用して、造船所側で接続する外部電線の種類、系統符号、心線番号、心線色分け、使用心線数、回路電圧などを図示する。特に、機器の端子符号と心線番号又は色別を明確にし、当該回路についての情報を持たない作業者でも容易に結線作業ができるようにしておくこと。

機器間の結線作業において、機器の端子符号、端子数、端子配列が相互に異なる場合や電線の心線番号とも合わない場合、極性の取り違え、通信形態のミス判断などが多いので、機器の使用目的、作動要領などを熟知した上で、結線図を作成することが大切である。

 

10.2.6 船内試験方案

船内艤装工事が進むと、機器の実際の作動運転試験が平行して行なわれ、その後の海上運転の際にもすべての電気機器の最終的な運転試験が行なわれる。

船内試験方案は、これらの試験の種類、方法、手順と良否の判定方法が記載されるが、内容については船舶安全法関係規則、船級規則をはじめ種々の規格、船主要求、造船所の試験標準などの条件を満たすように作成する。

船内試験は、船主や管海官庁、船級協会検査員が立合って行なわれるので、事前に試験内容について承認を得ておくことが必要である。電気関係の検査項目を <表10.2.4>に示す。

 

 

 

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