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第8章 統合ブリッジシステム

 

8.1 概説

 

近代化船の船橋は、航海中の船内全体の司令塔の位置付けの傾向が強くなり、一人で航海当直、操船ができることが望まれてきている。これらを背景としてNKは、ワンマン・ブリッジ・コントロールに関する「船橋設備規則」を平成5年に制定している。

この内容は、船橋の配置及び作業環境、航海機器などの一般規定の他に、ワンマン操船のための事故予防並びに船橋作業支援に対する規定がある。

船橋の配置に関しては、視界の確保のための船橋の高さ、前面窓の大きさ及び船舶の周囲視界の確保のための作業場所と視野を遮る障害物との相互関係が規定されている。船橋の作業環境としては、船橋の振動、騒音、照明、空調設備などを十分考慮するように規定されている。

航海設備としては、航海用レーダー、ECDIS、自動操舵装置などの一連の航海計器・装置などの操作性と安全性を考慮した配置と機能について規定されている。

事故予防に関する規定は、当直航海士が正常に当直業務についていることを確認できるよう配慮したものであり、定期的な間隔(12分以内)で適当な確認操作がない時の警報及び警告転送システムが要求されている。

船橋作業支援に関する規定は、一人当直を念頭に置いた一段と高度な航海装置を配慮したものであり、航海機器の統合化並びに情報の集中化を図るための船橋情報システムのほかENCとレーダー映像の重畳表示システムの装備やオート・トラッキング・システムが要求されている。

なお、NK船橋設備規則には、船橋の配置、作業環境及び航海設

 

 

 

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