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ったと想定した場合に、危険物標に対して状況がどのように変化するかを、実際に操船する前にシミュレーションして確認する機能で、シミュレーション結果は、表示画面上にベクトルや数値(CPA、TCPA)で表示される。

模擬操船シミュレーション表示の一例を<図3.3.3>に示す。この図において、左の追尾定常状態の画面では、対象物標のベクトルがMIN CPAリングを横切っており、危険物標(△)であることを示しているが、シミュレーション後の表示を示す右の模擬操船状態の画面では、対象物標の相対速度ベクトルが変化し、MIN CPAリングに接触せず、安全物標(○)となることを示している。

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3.4 磁気コンパス

磁気コンパスは、磁石の性質を利用して地磁気から方位の基準を得て、船首の方向と物標の方位を測定するものである。ただし、地球の回転軸と磁極とが一致していないため常に偏差が存在する(東京付近では約6度西に偏っている。)。

磁気コンパスは、船体の持っている磁気や周囲の鉄製機器などによって地磁気の方向が曲げられ、自差を生じるので、自差修正装置により修正する必要がある。磁気コンパスの材質・構造・検査方法などは、JIS  F 9101-96で規格化されている

 

 

 

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