5. 軟体動物
大阪湾に生息する代表的な軟体動物には、コウイカ・マダコ・アサリ・サザエなどがいる。
その他、消波ブロック上で観察された岩礁付着軟体動物はムラサキガイをはじめ数十類が湾域の全体で確認されている。
コウイカ : コウイカ類は底生性と遊泳性との両方の性質を持っている。5月頃内湾に集まり産卵し、卵は直径約10mm程度で、1個づつ浅海の海藻沈木などに産みつける。
マダコ : 無脊椎動物の中でタコの類ほど機能的に発達した動物は他にない。俊敏な運動能力、強烈な脚力、瞬時に体色を変える能力、高度に発達した眼、優れた学習能力などを備えており、敵対するものを攻撃し自分の身を守る。
エビやカニなどの甲殻類・二枚貝等を好んで食べる。産卵期は夏である。
アサリ : 内湾に生息する。淡水が流入して塩分があまり濃くない砂泥質の海底、深さ4〜5cm程度に潜っている。3〜9月にかけ産卵を行うが、稚貝を成育に適した海底に移して育てる養殖が盛んである。
サザエ : 水深10m位までの岩礁地帯に生息する。外海の荒い海に生息するものは棘が2列で長くなり、内海の静かな場所に生息するものは棘が1列で短く、または無棘となる。棘は岩場から落ちないように滑り止めの役割を持つ。産卵期は6月〜7月にかけ、寒天質の緑色の卵を産む。日中は岩の割れ目などに潜み、夜間活動してワカメ・ホンダワラなどの海藻類を食べる。
大阪湾で生活する漁業生物は、大阪湾を下記の目的で利用している。
定住種(大阪湾で生まれて、一生を過ごす。)
イカ・タコ類(ジンドウイカ、マダコ、テナガダコ),サザエ・アサリ類
入り込み種(産卵、生育、または単に迷い込み過ごす。)
イカ・タコ類(アオリイカ、コウイカ、シリヤケイカ、スルメイカ、ヤリイカ)