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? 研究の内容

 

1. 研究の進め方

 

1.1 基本方針

 

本調査研究の基本方針は、当問題の対策として現在唯一実施されている外洋上でのバラスト水交換(リバラスト)に代わる各種方策の有効性と課題を把握し、海運等の関係業界が実施可能な代替手段検討の方向性を示すことである。

 

1.2 研究の対象範囲

 

研究の対象範囲は、国内外で検討されているリバラスト代替手段全般である。

その中で、実用化の可能性があるものの実験データの少ないオゾン処理法に関しては、オゾンによる海洋生物に対する殺滅効果判定を対象とした。

また、本問題は、当初、麻痺性貝毒や赤潮の原因となる有害プランクトンの伝播を主題に論議され検討されてきた。 その後、多くの水生生物種が移植されること、およびコレラ菌等の病原体の移植も心配されることから、現在では、有害プランクトンはもちろん細菌類,海藻・底生生物,魚類など好ましくない水生生物および病原体全てを対象生物とするのが国際的趨勢となっている。 本研究でも、全水生生物を対象としたが、オゾン処理の実験に関しては、港湾海水を供試海水としたために、殺滅効果の判定は、海水に含まれる生物(動植物プランクトン,細菌類)を対象に行った。

 

1.3 研究方法

 

国内外におけるリバラスト代替手段については、国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会(MEPC)の情報をはじめ、各種既存資料をもとに整理検討した。

オゾンの海洋生物殺滅効果に関しては、国内の東西2港湾の海水を採取し、含まれる海洋生物にオゾンを曝露する室内実験を実施した。

リバラスト代替手段としての評価は、これら検討実験結果を用いて行った。

 

 

 

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