III むすび
海洋汚染防止に関する国際的問題は、IMO(国際海事機関)の主にMEPC(海洋環境保護委員会)において議論が行われている。
現行のMARPOL73/78条約附属書のうち、附属書I、II、III及びVは既に発効しているが附属書IVについては、まだ発効していない。
IMOの最近の動向として、附属書I及びIIについては、2000年を作業完了目標として、両附属書間の整合性を取るための修正及び附属書IIの有害液体物質の汚染分類の見直しに関する大掛かりな作業が行われている。
附属書IVについては、近い将来まだ発効する見通しがたたないため、早期発効に向けての問題点の検討が行われている。
附属書Vに関しては、規則の一部改正が行われ、1997年7月から、一定の船舶に対し、プラカード、廃棄物管理規定及び廃棄物管理記録簿の船内備え付けが義務づけられた。
また、新附属書として、船舶からの大気汚染の防止に関する規則を定めた附属書VIが、1997年9月、MARPOL73/78条約外交会議で採択されている。
今後のMEPCでの審議事項としては、船舶のバラスト水による有害水生生物及び病原体の移動を防止する規制、海洋汚染に関する人的要因等が優先度の高い項目であり、バラスト水問題については、附属書VIにつぐ新附属書として2000年のMARPOL73/78条約外交会議での採択をめざして、規則及びガイドラインの策定作業が継続して行われているところである。
また、1995年5月に発効、わが国においても1996年1月17から発効しているOPRC条約
(1990年の油汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約)に関するIMOでの主たる審議項目としては、同条約を今後、油だけでなく有害危険物質にも拡大適用することを念頭に、その物質の範囲をどこまでにするか等について検討が継続して行われているところである。OPRC条約発効以降も、1996年2月,英国で発生したシーエンプレス号座礁事故、わが国において、1997年1月,日本海で発生したナホトカ号重油流出事故、同年7月東京湾で発生したダイヤモンドグレース号原油流出事故といったタンカーの事故による油流出事故の発生が後をたたない。
今後、既に発効されている海洋汚染防止に関する国際条約の完全実施及び規則強化の問題を含めたIMOでの審議がさらに加速されるものと思われる。