6.まとめ
キネマティックDGPS利用した実船の操縦性試験から線形の操縦性微係数を求めることを試みた。そしてモーメントについてうまく推定でき、横力では運動の成分ごとの分離にはまだ問題があるものの全体の力はほぼ推定できることを示した。
次に潮流の強い来島海峡航路での試験から、キネマティックDGPSで船の運動を計測することで潮流の影響を推定する方法を示した。そして横方向の力もモーメントも定性的には潮流速の計測値から求められる変動とよく合っていることを示した。定量的な検討に関してはまだ課題が残っている。
本研究の遂行に際して、GPS機材の提供をいただいたトリンブルジャパン社、また練習船こじまを用いた諸計測の便宜を与えていただいた海上保安大学校の各位に深くお礼申し上げたい。