日本財団 図書館


(3)交通影響からみた評価(中水道で追越し制限をした時の影響)

平成9年度においては、逆潮で中水道を北航する場合の停滞が交通流に及ぼす影響を評価する目的で海上交通流シミュレーションが実施された。

評価指標は平成8年度実施の海上交通流シミュレーションと同様に推定困難度を用いた。

平成9年度の海上交通流シミュレーションでの評価対象のケースは、?潮流なし・追越し制限なし、?潮流なし・追越し制限あり、?南流最大の25%・追越し制限あり、?南流最大の50%・追越し制限あり、および?南流最大の75%・追越し制限ありの5ケースである。

表IV-6-9にケース?(潮流なし・追越し制限なし)を基準としたときの、各ケースにおける推定困難度の増加率にみられる傾向を示す。

582-1.gif

 

以上のことから、逆潮の流速が最強時の50%(約4〜5ノット)を超えるあたりから、滞留に起因する困難な船舶遭遇の事例が増えるものと考えることができる。

ただし、海上交通シミュレーションでは実態観測結果における最輻輳時間帯(各水道の通航隻数15隻/時間)の交通環境が再現されており、ここでは最も厳しい条件下での推定困難度が求められたものと考えることができる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION