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3.2.4総括

現状の航法である順中逆西と右側通航とした場合のシナリオについて、船・船型を変化させて単独航行の操縦シミュレーションを実施した。さらには、複数の目標航路を設定した操縦シミュレーションを実施し、潮流の影響からみた中水道・西水道に対する「面」の評価を加えることができた。

これらの操縦シミュレーションから、総じて大型船の方が潮流の影響を受け易く、また、右側通航の方が順中逆西に比べて操縦上厳しくなることが確認できた。

操船シミュレータ実験の評価にあたっては、操船者の許容限度との対応がとれている斜航角を用いたが、立会い人のアンケートによる主観評価とは必ずしも一致しなかった。これは操船シミュレータ実験では他船が周囲に存在しており、これら他船との遭遇状況によって操船上の危険感が現れる状況があったためと思われる。

さらには、目標航路の設定あるいはコース取りの違いが、結果として潮流の影響を左右する例があることから、ここでのシミュレーション手法を利用することにより、潮流の影響を最も少なくする(操縦上の困難を最小限にする)推奨航路を検討(設計)することは有益であると思われる。

 

 

 

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