3.2単独航行からみた比較
3.2.1シミュレーション.シナリオの策定
航法の違いによる潮流影響を比較検討することを目的とした。あわせて「船型の違い」ならびに「速力の違い」によって潮流の影響の程度が異なると考えられるため、複数の船型および複数の速力の組合わせによるシナリオを設定するものとした。
「操縦運動の数学モデル」
評価指標の検討で用いたモデルと同様である。
「船型」
評価指標の検討で用いたESSO OSAKAを規範とし、船長を50m、75m、115m、200mおよび300mの5船型を設定した。
「潮流の条件」
評価指標の検討で用いた潮流データを使用する。
「速力」
対水速力は10ノット、12ノットおよび15ノットの3段階を設定した。
「通峡経路」
船型の違いを比較することを考慮し、船型を通じて同一のものを使用することとした。設計は運航実務経験者によるものとした。
「制御則」
評価指標の検討で用いた制御則と同様である。目標航路上に設定する目標点は自船船長の2倍(2L)を用いて設定されるものとした。
3.2.2シミュレーションの実施と評価
(1)各シナリオの概況
各シナリオの航跡図を図IV-3-22から図IV-3-27に示す。
1)シナリオ1(順中逆西:北流・中水道・北航:図IV-3-22)
中水道の北側水域で、西方に向首してからの潮流影響が大きい。
中水道の南側では、舵角は大きくでているが、偏位・斜航角は抑えられている。進路制御がうまくできているものと推察される。