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5.潮流が測位に与える影響評価の指標

5.1評価の目的

来島海峡航路付近を航行する船舶は、潮流の影響・地形的な制約・他船との関係などを同時に、かつ緊密に監視しなければならず緊張を強いられれているとみることができる。このような航行状況において、自船の位置すなわち目標航路からの偏位や、次の変針時機を常に把握しておくことが求められており、測位作業は正確かつ迅速に行なわなければならない。

ここでは、来島海峡航路を航行する船舶にとって測位に有効な陸上の物標を確認するとともに、これらの物標の利用を前提とした測位作業に対し潮流が与える影響を表現する手段を検討する。

5.2航進・船尾目標方位による横偏位検出

5.2.1来島海峡における航進目標

来島海峡を航行する船舶が使用する航進目標については、シミュレータ実験から次の目標が使われることがわかった。

(1)北航の場合の航進目標と航路

来島海峡を北航する場合の航進目標は、西水道航行の場合と中水道航行の場合に分けられ、次のような目標が使われている。

 

216-1.gif

 

こうした航進目標を利用した評価用の航路として、ここでは図III-5-1に示す航路を設定した。なおこの航路上における評価地点としては西水道を航行する航路では図中のP1〜P15の15ポイントを、中水道を航行する航路ではP16〜P30の15ポイントを採用することとした。

(2)南航の場合の航進・船尾目標

来島海峡を南航する場合の航進目標は、西水道航行の場合と中水道航行の場合に分けられ、次のような目標が使われている。

 

 

 

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