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には、この2船間の側方距離のみを評価指標として航行の安全性の評価を行うことが可能であると考えられるが、実際には評価領域内には多くの航行船船舶が存在するため、2船間のみの安全性評価だけではなく、周囲の航行船船舶に及ぼす影響を考慮した評価指標の設定が必要であると考えられる。従って、潮流の影響による2船の目標航路からそれぞれの船の重心位置までの距離(偏位量)についても、評価指標として採用することとした。

以上の評価指標の目安として

・側方距離については小型船のおよそ2船長分の100m

(別途行われた操船シミュレータ実験において、操船者の許容限界との指摘があった)

・目標航路からの偏位量については小型船のおよそ1船長分の50m

を基準とし、以下に示すような評価基準を設定した。

◎:評価領域内で両船ともに偏位が50m以内であり、側方距離が100m以上

○:評価領域内で一方の船、または両船ともに偏位が50m以上であり、側方距離が100m以上

△:評価領域内で両船ともに偏位が50m以内であり、側方距離が100m以下

×:評価領域内で一方の船、または両船ともに偏位が50m以上であり、側方距離が100m以下

××:一方の船、または両船が乗揚げ、あるいは衝突

 

参考文献

[1]貴島勝郎、安川宏紀:狭水路中を航行する船の操縦性能、日本造船学会論文集、第156号(1984)

 

 

 

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