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7.類似海域の事例

 

7.1ボスポラス海峡の航法

(1)概要

ボスポラス海峡は、黒海とマルマラ海を結ぶ長さ約17海里、幅約670〜2,170m(陸岸から陸岸まで)の海峡で、その全域はイスタンブール港の港城に含まれる。ボスポラス海峡の地形を図I-7-1に示す。

 

(2)潮流

黒海とマルマラ海の水位差により、通常は黒海からマルマラ海に向けて流れるが、南西風の影響により黒海に向けて流れることもある。

平均流速2〜2.5ノット、狭部では4〜5ノットであるが、時には7ノットに達することもあるとされる。海峡南部での流速が北部に比べて速く、英版海図には海峡南部で3〜4ノット、北部で0.5〜1.5ノットの流速が記載されている。

トルコ当局作成の通峡ガイドラインに収録のボスポラス海峡潮流図を図1‐7‐2に示す。

 

(3)航法

1994年11月24日以降、IMOにより承認された分離通航方式(TSS)が施行され、(図I-7-3、図I-7-4参照)、国際海上衝突予防規則に則った右側航行が採用されている他、下記の航行規則が施行されている。(トルコ当局作成の通峡ガイドラインによる。)

 

1)入峡通報、位置通報

?500総トン以上の船舶または危険物積載船は、入峡24時間前および2時間前か海峡入口20海里手前において通報を行うこと。

?長さ20m以上の船舶は、海峡入口から5海里および海峡内の定められたポイントにおいて通報すること。

2)航行速力

海峡内においては原則として対地速力10ノット以下とする。

3)昼間航行

長さ200m超または喫水15m超の船舶の通峡は原則として昼間(日出から日没の間)とする。

4)追越しの禁止

原則として追越しは禁止とし、船間距離0.8海里以上を保つこと。

 

 

 

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