C.来島海峡の航行安全対策
I.基礎調査
1.来島海峡の概要
1.1概要
来島海峡は瀬戸内海のほぼ中央部に位置し、姥灘と安芸灘をつなぐ要衝である。海峡はその中に散在する島々により、東水道、中水道、西水道および来島の瀬戸の四つの水道に分けられており、これらの水道は可航幅が狭く潮流は強く複雑である。
海峡内には、海上交通安全法により来島海峡航路が設置され、「順中逆西航法」として知られる特殊な航法が定められている。
また、今治と大島を結ぶ来島大橋の建設工事が平成10年度の完成に向けて進められている。
来島海峡付近の地形および来島海峡航路を図I‐1.1、図I.1‐2に示す。
1.2気象.海象
(1)風
年間を通じて平均風速6m/sec程度であるが、海峡の地形の影響を受け、西口付近では西寄りの風が多く、また東口付近では北寄りの風が多いが、南寄りの風は少ない。
(2)霧
月別では4月〜6月の間に集中し、西口付近よりも備後灘方面に多い。霧は夜半過ぎに発生し、日出前4〜6時間の間に最も多く、1100時ごろまでには消滅する傾向がある。継続時間は夏季には比較的短く、春季には6〜12時間続くことが多い。