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あとがき

 

本年度実施した新津波警報伝達システム普及事業の結果を報告書としてとりまとめた。

過去に大津波を幾度も経験した三陸沿岸や、東海地区を事業実施地域に選んだこともあって、各自治体の防災関係者、海洋レジャー関係者、漁業関係者等の津波防災に対する関心は極めて高く、大勢の方々の参加を得、貴重な意見を聞くことができた。また、報道関係者も津波からの安全確保に極めて関心が高く、海岸や沖合など津波警報伝達の空白地域に居る人達に、確実に警報を伝達する方法がない現状では、このシステムは有効な一方法であるとの認識から、各社こぞって公開実験の様子を大々的に報じた。

例えば、宮古市における公開実験についてNHK盛岡放送局では、夕方のニュース番組の中で、同局宮古報道室所属の記者に実験の目的や意義、結果について報道させ、この津波警報伝達システムをコンピューターグラフィックで非常に理解し易く解説したうえ、参加者側の意見及び感想、本事業委員会・吉井委員長の説明を採り上げるなど幅の広い取材で、6分30秒間にわたって東北全域に放映した。

この他、IBCテレビ、テレビ岩手、岩手めんこいテレビ、岩手朝日テレビもNHK盛岡放送局ほどの放映時間ではなかったが、夕方のニュースの中で大きく採り上げた。

沼津市における公開実験についても、NHK静岡放送局が5人のチームを派遣し、積極的な取材を行ったうえ同日夕方のニュース番組の中で1分50秒にわたって東海地域に放映した。他テレビ局も同様な放映を行った。

新聞、雑誌についても写真入りで紹介するなど大きな社会的反響を得た。

しかしその反面で、津波襲来等異状を知らせる警報として実現化を図るためには、着色発煙等可視信号も併用するなどの改良や、一般に対する津波警報の周知が課題であることが明らかになった。

今後は、これ等の貴重な意見を参考に早急に改良に取り組み、改良された信号弾により津波来襲のおそれのある他の地域での公開実験を実施して、本システムの一層の普及を図るとともに、併せて海洋レジャー等関係諸団体の活動の場を通じて、本システムの広報にも努めていきたい。

 

 

 

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