(3) 航路体系のまとめ
前述したように、東京湾の望ましい航路体系として、ある一定トン数以上の検浜航路入航船を中ノ瀬航路廻しとする準環流方式が検討され提案された。
しかしながら、この航路体系が実行に移され、かつ有効に機能するためには、その前提として、中ノ瀬航路の増深・拡幅、第1・第2海堡間の航行環境の整備、第3海堡の撤去等航行環境の整備が強く指摘されるところであり、東京湾の総合的な安全確保の観点から、関係者の更なる理解と協力が強く望まれる。
本航路体系の実現に当たっては、種々の問題を解決していかなければならないこと、他方東京湾における海難が後を絶たない現況にあることを勘案すれば、関係者と十分協議の上実現可能な方策から段階的に実施することが現実的と考えられる。
なお、その際には、航行環境整備の進捗状況をも踏まえつつ、
?中ノ瀬航路廻しとする船舶の範囲(適用船型)
?中ノ瀬航路経由の航行方法についての法制上の位置付け
?航行情報手段の充実(行先信号等)
?小型船航行海域の確保
等について、具体的な検討を行い、関係者と調整の上、実施して行くことが望まれる。