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4つの航路体系案等について上記検討が為されたが、第4案の右廻り方式(図4)については、船舶交通の大原則である右側通航に反すること等船舶交通に多大の混乱を生じさせるため、検討の枠外としたが、シミュレーションの結果等から、船型あるいは航行時間帯等の運用条件は付くが、準環流方式により横浜航路入航船を中ノ瀬航路廻しとする第1案が、整流効果・操船困難度の減少など船舶の航行安全上最も有効であることが検証された。

この場合、中ノ瀬航路北口から横浜航路に至るルートについては、同航路北口を出た時点で左転するのが航行安全上優れた評価を得た。

 

(2) 準環流方式(提案航路体系)の問題点およびその検討

準環流方式航路体系を実行に移す場合には、実施されたシミュレーションによる評価の範囲以外の実務上の種々の問題点が、中ノ瀬航路廻しとすることにより新たに生じることが指摘されている。これらの問題点についての検討結果を以下に述べる。

1)横浜港域の着時間調整

<問題点>

現在、横浜航路入航船は港内管制時間、ハーバーパイロット乗船時間以前に横浜港外に到着することが予想された場合は、浦賀水道航路中央6番ブイを出てからハーバーパイロット乗船地までの約6浬の間で速力を調整する。時間待ちが長い場合は中ノ瀬内に入り停留することもある。

10,000G/T以上の横浜航路入航船を中ノ瀬航路廻しとすると、中ノ瀬航路7〜8番ブイからハーバーパイロット乗船地まで約2浬しかなく速力調整が非常に難しく、時間待ちのためには停船しなければならない。Dブイ北側の狭い海域で横浜航路入航船が停船して出湾船の航路を塞ぐこととなり危険と思われる。

<問題点への対応>

?入湾船は港内管制又はハーバーパイロットの乗船時間に合せて浦賀水道のパイロットステーションに到着するよう事前の調整が考えられる。

この措置の効果を更に高めるためには、横浜航路の管制と浦賀水道航路・中ノ瀬航路の管制とをリンクさせる必要がある。これに関しては、他の湾内各港における港内航路管制、出入港する船舶の航行はもとよりバース使用時間にも影響を及ぼすこととなるので、これに伴う問題点を解消するために、各港湾管理者等関係者との十分な調整が必要である。

??の時間調整が困難な船舶は中ノ瀬航路に入ってから航路を外し中ノ瀬内で速力を落しての時間調整が考えられる。

但し、この措置を実行に移すためには、浦賀水道航路および中ノ瀬航路の航路

 

 

 

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