3)右廻り方式(図4)
東京湾内の主要港が西側に配置されていることおよび他の3案では年間約100隻の深吃水船が中ノ瀬航路が浚渫されない場合は同航路を通航できないが、この案なら通航できることから考えられたものである。
この案については次の意見があった。
ο船舶交通の大原則である右側通航に反する。
ο港内航路と整合しない。
ο東京湾だけ別航法では混乱のもととなる。
4)その他の意見
航路体系の検討において、航路体系全般にわたる問題として次の意見があった。
ο錨泊地と通航路の区分をはっきりさせることが重要で、泊地を考慮した整流を考えるべきである。
ο航路航行義務の無い小型船用に沿岸通航帯を設けるべきである。
ο小型船航路用に第1海堡と第2海堡間の浚渫、もしくは中ノ瀬航路の航路の外側を小型船用航路とする。
ο右廻り方式を除く他の3案では中ノ瀬航路の浚渫や拡幅の検討が必要となる。
ο東京湾を1つの港として考え、港則法第18条の準用について検討してはどうか。注)
ο経済的な面から小型船ほど直進する傾向があり迂回は殆どしていないのが現状である。
ο大型船航路と小型船航路を設けると、その航路入口で混雑し、新たな危険が生じる。基本として小型船航路は設けられない。
ο東京湾横断道路の東、西水路航行船舶と木更津方面への湾内流動船等が複雑に交差するといった面から、中ノ瀬航路北口と東京湾横断道路間の海域の有効利用についての検討が必要である。
注)港則法第18条
雑種船は、港内においては、雑種船以外の船舶の進路を避けなければならない。
2 総トン数が500トンをこえない範囲内において命令の定めるトン数以下である船舶であって雑種船以外のもの(以下この案において「小型船」という。)は、命令の定める船舶交通が著しく混雑する特定港内においては、小型船及び雑種船以外の船舶の進路を避けなければならない。
3 小型船及び雑種船以外の船舶は、前項の特定港内を航行するときは、命令の定める様式の標識をマストに見やすいように掲げなければならない。