4)航行速力
浦賀水道航路出航時の航行速力は、航路内での航行速力に準じ12ノット(S/B Full)の範囲内とし、その後適切な逓減速操作、航行他船等の動静および航行時の自然環境条件に対応した安全且つ適切な速力を確保するものとする。
(2) 京浜港域への分岐進路(経路)
進路・操船方法に関しては、航行他船等の動静、自然環境条件等、状況に対応した最も適切なものが採用されるべきであるが、標準的には次のことが考えられる。
上記(1)3)において選定された進路、すなわち灯浮標A〜Bを結ぶ線に対して約550m(約3ケーブル)の離隔距離を確保した進路を航行の後、京浜港域への進入操船に当たっては、B灯浮標側方にて約28°程度の右転の後、さらにC灯浮標側方にて11°程度の右転にて水先人乗船地点に向けた分岐進路をとることを基準とする。(図5.1-5参照)
バースヘの進入に当たっては、適確な逓減速操作とともに航行他船との競合回避のための適切な進路速力を確保するものとする。
(3) 基準進路(経路)保持にあたっての航行上の留意点
大型タンカーにおいては、下記の事項を認識しつつ安全なる操船を心掛ける必要がある。
ο操船行動をとった後の船の動きは鈍くまた、直ぐには止まらない。(時間がかかる)従って時間的にも距離的にも余裕を持った早めの判断、操船行動が要求される。
ο特に低速航行中は著しく操縦性能が劣ること。
ο航行中は漁ろうに従事している船舶を避けなければならない。
ο行合い船に対しては右転避航(灯浮標寄りの変針となる)が必要となり、また横切り船についても、右舷側に見る船舶に避航義務があるので自給の喫水と水深の見合いにより操船が困難となることが多い。
ο前述のように当該海域は、船舶の進路が交差・合流し交通の輻輳度が高いとともに操船挙動の異なる船舶(異種モードの船舶)が競合する、操船上湾内でも最も困難・危険を感じる海域の一つである。
(4) 基準進路(経路)設定に伴う航行の安全確保への対応
1)的確な操船情報の把握
?乗組員の技能向上 (*1)・・・分担と訓練
?外部情報の把握(予測情報) (*2)
(*1):船長・水先人による乗組員技能レベルの的確な把握が必要
(*2):Bridge to Bridge/Station Communication System導入の指向
(水先人乗船・非乗船船)
?適切な航行(操船)支援システムの導入
2)海域利用者への積極的な周知による(船社、代理店、海域利用者等)認知と協力機構の前進(の指向)