日本財団 図書館


2. 船舶通航方式の現状

 

2.1 水域環境(水域施設)

中ノ瀬西側海域および付近海域における水域環境(水域施設)すなわち船舶航行路と泊地(錨地)の現状は概ね以下の通りである。

中ノ瀬西側海域は、湾口〜湾奥へあるいは湾内諸港間を航行する多数の船舶の通航路であるとともに、横浜港・川崎港に隣接する海域でもある。従って、船舶交通の輻輳度が高いとともにそれぞれの仕向地点が異なることによる進路交差の問題、入出港、水先人交代等に伴う操船態様等が異なる船舶が共存する、航行船舶にとっては大小船舶、操業漁船、プレジャーボート等との輻輳度とも相まって厳しい操船が求められる海域となっている。

?大型船同士の進路交差

特に中ノ瀬C、D灯浮標沖合いにおいては大型船同士の航行基準進路が交差する海域であり、また、横浜港等へ向かう船舶は南航船および北航船の間隙をぬって水先人乗船地点へ接近するが、該当船舶は減速した状態下にあり、航行船舶同士は充分注意すべき海域である。

?入港大型タンカーと南航船の交差

横浜シーバース、川崎シーバース等へ係留するため水先人交代地点へ向かう大型タンカーは主機停止、惰性航行の状況下におかれる地点で南航船と交差し、必要な避航が求められるという極めて厳しい状況となる。

また、中ノ瀬航路を航行し、各シーバースに向かう大型タンカーにとっても南航船との見合い関係は同様に厳しいものがある。

?喫水17m以上の船舶についての中ノ瀬航路航行義務の適用除外

中ノ瀬航路には水深20m台の浅所が存在することから、喫水17m以上の船舶については、海上交通安全法(第3条)、同施行規則(第4条)の中ノ瀬航路航行義務は当分の間適用されない(施行規則附則2)。

従って、当該深喫水船は中ノ瀬西側海域を航行し年間約130隻が当海域を利用している。

(2.4深喫水船の通航状況 参照)

現状下の浦賀水道航路から東京湾横断道路東水路に至る海域における水先人乗船時の標準的進路の一例、水先人乗船地点、横浜・川崎沖指定錨地等の概要は以下の通りであり、図2.1-1に示す。

 

(1) 現状における、航路(バース)別、出入港進路

水先人乗船時には、現在以下の進路が基準の一つとして考えられている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION