(3)海象
1)波浪
表1.1-5および図1.1-9に月平均有義波高の累年平均値を示す。
年平均で波が最も高いのは浜金谷の57cmで、アシカ島の50cmがこれに次いでいる。
この2地点は南から南西にかけて外洋に向かって開いているため浦賀水道以北の閉鎖海域に比べて全般に波が高い。浦賀水道以北で東京湾央が46cmと最も大きいのは、湾内の中央部に位置しているため、どの風向に対しても地形による遮蔽の効果が小さいためである。
2)潮汐・潮流
東京湾における潮汐の性質は湾内各地ともほぼ同様であり、日潮不等(1日2回の満(干)潮の高さが等しくない現象)はやや顕著である。潮差は最も大きい大潮の時期においても2m程度である。
潮流は浦賀水道を除いては流速微弱であって、一般に南北に長い湾の主軸方向に流れ、北流(南流)は低潮(高潮)0.5〜1時間後から次の高潮(低潮)0.5〜1時間後まで流れる。浦賀水道観音埼・富津間は最も潮流が強く場所によっては流速2ノットに達する。
浦賀水道の南部は比較的弱くかつ海流があるため不規則な流れとなる。
図1.1-10および図1.1-11に東京湾の上げ潮および下げ潮最強時の潮流図を示す。