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?. 調査検討の結果

 

1. 船舶交通環境

1.1 自然環境 参考文献:「気象海象要覧 東京湾」(財)日本気象協会

(1)東京湾の地形の特性

東京湾は千葉県房総半島と神奈川県三浦半島に囲まれており、広い意味での東京湾は房総半島の西端州埼と三浦半島の南端剣埼を結ぶ線より以北の海域を指し、その水域面積は約1,500k?ある。湾の南部にはS字形に屈曲した浦賀水道があり、湾口は太平洋に南西方向に開いている。浦賀水道富津岬・観音崎間は湾内で最も狭くその距離は約6kmしかなく、そのため湾内が外界の影響を直接受けにくく静穏である反面、航行船舶が当該水域で集束し船舶が最も輻輳する海域でもある。

また、狭い意味での東京湾は、この富津岬と観音崎を結ぶ線以北を指し「東京湾内湾」と呼ばれ以南の「東京湾外湾」と分けられる。東京湾内湾は北北東から南南西方向に長楕円形に水域が広がり、湾岸全域の都市化、工業化が進み、京浜港を始め千葉港、横須賀港、木更津港の大港湾が存在し、その水域面積は約1,000kmであるが、いわゆる三大湾(東京湾、伊勢湾・三河湾、大阪湾)の中では最も小さい。

東京湾内湾の平均水深は約17mで、海底は湾奥から湾南部へ緩やかに傾斜している。浦賀水道の中央は十分な水深を有し、大型船の航行にも特に支障はない。

横浜本牧鼻と富津岬の間には中ノ瀬があり、その広さは南北が約7.5km、東西約3kmにわたり、20m等深線内に水深15m以下の浅瀬が散在する。富津岬から浦安市付近にかけての沿岸域には港湾地帯、航路部分を除いて遠浅の干出砂浜がある。浦賀水道西側陸岸付近では三浦丘陵が海岸線付近まで迫り、岩礁海岸を形成していることから、険礁が多い。浦賀水道東側陸岸、富津岬の南側は北側と同様に遠浅となっている。

東京湾に注ぐ川は湾奥部にかけて多摩川、荒川、江戸川等があるが、流量の多い主要河川が湾の西部から西北部に偏り、また東京湾海谷が湾南部の神奈川県側に偏在していることが湾内における海況が東西で幾分様相を異にする一因ともなっている。

参照

図1.1-1 東京湾全域概図

図1.1-2(1) 海域図

図1.1-2(2) 海域図

図1.1-3 中ノ瀬測量原図

図1.1-4 沿岸の海の基本図

 

 

 

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