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4.4 タンク容積計算プログラム

4.4.1 使用方法

 

[マップによる船体断面の表示方法について]

船舶には、形状、寸法、取付位置の異なる数多くのタンク、ホールド等があります。これらタンク等の容積及び重量重心等は、基本的には船型データ及びタンク前後端の形状・寸法データから算出します。そこで、なるべく簡便かつ少量のデータ入力により全てのタンクの計算を行う手段として、いわゆる『マップ』の考え方を用いました。ここでは実際の入力データ作成の説明に先立ち、このマップの考え方とタンク形状の把握について説明します。

 

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左図は、船舶の右舷側の断面を示したものです。図中の1〜5、60〜70等の各点を点番号と呼びます。の部分の様に、70-1-2-5-70という反時計回りの点番号の群(これを点列と呼びます)で区切られ部分を区画と呼びます。今ここで、?の区画は1つのタンクを形成しているものとし、同様に?の区画(点列5-2-4-60―5)及び?の区画(点列1-50-3--2)並びに?の区画(点列2-3-4-2)という3つの区画の集合体はもう1つのタンクを形成しているものとします。(このタンクは、点列5-2-1-50-60-5で形成される区画とも考えられます。)そこで、このように、点番号の組合せにより、ある断面におけるタンクの分布を区画として表現したものを『マップ』と呼びます。

 

さらにこのマップは、1〜5までの点番号の座標の寸法を変更したり、あるいは区画?、?、?によるタンク等のように組合せを変更したりすることにより、類似の断面を有するタンクを表現することができます。

全く別個のタンク断面については、それに対応するマップを新たに作成する必要がありますが、そのマップはさらに類似のタンク断面をも表現できます。

こうした作業を行うことにより、実際にはわずかな枚数のマップで、船舶の全てのタンク断面が表現できる、という訳です。ここで重要なことは、複雑な断面形状を有するタンクを表現する方法として、単純な区画をいくつか組合せるやり方と複雑な形状をそのまま点列によって定義した単一の区画を用いるやり方があり、それらを効率よく利用して、簡便でしかも間違いのないマップデータを作成することです。始めのうちは、多少マップの数が増えても間違いの少ない方が良いでしょう。

 

 

 

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