3.ウォータージェット入ロダク卜効率改善
株式会社 新潟鐵工所
原動機事業部
江藤昭男
1. 目的:
(1)現在高速船に多く搭載されているウォータージェット(WJ)の本体部の単独効率は既に約90%まで達成されており上限に近い効率となっている。
(2)WJ入口ダクトには,まだ効率改善の余地があるものと推察されることから,WJ入口ダクト効率(損失係数:ξ)の改善をCDF(Computational Fluid Dynamics:数値流体解析)による3次元流体解析で可能かどうかの確認が目的である。
2. 実施内容:
(1)WJ入口ダクト縮尺模型(1/10)を実船のWJ入口ダクトに条件を近づける意味で,入口ダクト内にWJ駆動軸カバー(図1を参照)を付属した縮尺模型を製作し,キャビテーション水槽を用いて入口ダクトの効率(損失係数:ξ)計測を実施した。
(2)一方コンピューターにて縮尺模型と同一寸法の3次元計算モデルを形成し,水槽試験と同一条件として,CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体解析)による3次元流体解析を行い,WJ入口ダクトの効率を計算により算出した。
(3)縮尺模型試験結果とCFD解析結果との整合性を確認し,3次元流体解析によって船体条件にマッチした効率的に優れたWJ入口ダクト形状を見出すことが可能かどうかの検討を行った。
3. WJ入口ダクト縮尺模型試験:
(1)縮尺模型試験実施時期:
平成8年6月24日〜9月20日
(2)縮尺模型試験場所:
株式会社三井造船昭島研究所
(3)縮尺模型試験内容:
?WJ入口ダクト縮尺模型(1/10)を材質アクリル製で製作
WJ入口ダクト設計条件
船速……………40ノット(時速74km/h)
船底形状………フラットな船底