船舶の全構造は全般的配列から始めて、動力、構造、建造手順及び計画まで考慮しなければならない。
発電機械装置は貨物輸送能力を最大限に発揮できるように最適化された位置に自由に配置できる。機械装置を垂直に配置、即ち、推進モーターを二重底に、補助装置及び電気装置を中間層に、発電装置、ボイラー、及びその他の大型装置を上甲板に配置するのが、最善の配列であることが研究でわかっている。
配線や配管は直線で短距離にする。しかし、最も重要な特徴は、エンジンルームをコンパクトで短くし、貨物タンクの有効量を増やすことである。同じ主要寸法と排水で、貨物量を3%-6%ぐらい増やせるのである。
船体形状
船体形状及び関連パラメーターの選定、特に縦方向浮力中心を非基準的方法で再考することは可能である。機械装置及び貨物を後方に移動すると、縦方向浮力中心位置が船体中央部の後方になり、前方肩を回避でき、それによって所要の推進力を相当削減できるのである。しかし、流れの剥離と付加的な粘性抵抗を回避するため完全な船体後方形状が必要である。中央スケグのある角船首型船体形状が良い基準となる。
中央スケグはギヤーボックス付き電気推進モーターを収納するだけであり、従来の船体形状で重い低速エンジンの場合よりも、スケグ寸法や船体後部船尾曲線角が自由にとれ、プロぺラの直径も最適化できるのである。
最適化船体形状とプロペラの直径によって、従来の最適化設計の製品及び50000DWTまでの化学製品運搬船と比較して、パワーを少なくとも8-12%節約できるのである。
設置電源
設置電源を様々なユーザーが利用できるようにするのが電源装置の原則である。同じディーゼル・電気電源を使用してプロペラを回転し、貨物ポンプの電源を供給している。ディーゼル発電機の数量及び大きさを選定して、最適ローディング時の個々のパワー要求条件に適応させるのである。明確なパワー節減となり、40000DWの製品運搬船の設置電源では15-18%もの節減になっている。これは電気ポンプ駆動で、所要の低推進力、トランスミッション効率を考慮しているのである。また、推進に総ての設置電源を使用して、代表的なものより1ノット高い最高速度をだすことも可能で、事業用としては大いに有利となるのである。