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従来の回転式再生装置

回転式セラミックディスク再生装置は、30年以上前に紹介され「46」数多くの開発用機関で使用されている。特に著名な初期の計画はRover社が開発した機関「47」、また後には車両用機関「48」をサポートするものであった。再生装置の熱伝達及び性能面は十分に実証されており「49」、多年にわたる開発努力は材料選定、製造、及び信頼性に焦点が当てられてきた「50、51」。
今日、開発はなお進行中であり、特に自動車用ガスタービン用の開発が行われている。主要な関心事の一つは、今なおシール漏れに関するもので、最も最近の出版物の中で、(目標として検討した)7%という数値が実証されている。シーリングシステムと駆動機構が加わって熱交換器が複雑になりまたコストがかさんでおり、自動車用ガスタービンの再生装置で、コスト目標が実現できるかどうかは未定である。回転式熱交換器のシーリングの問題点が解決できるとすれば、おそらく圧縮機の圧力比の増加が検討されることになる。
このことは、特定の高出力を出すインタークール再生サイクルを使用する可能性の道を開くものである。初期の自動車用ガスタービンは左右対象の二枚ディスク再生装置形態を用いており、この改良は第13図に示してある。この考え方には二種類の回転式熱交換器、即ち、(1)高効率セラミック再生装置、(2)空気が二次遠心圧縮機に入る前に空気を冷却する金属製インタークーラーがある。この機関サイクルは50%以上の能力があり、インタークーラー吐出空気及び再生装置の排気を混合して、軍用に極めて低いIR特色を実現できたのである。

 

先進再生装置の構想

今日まで、ディスク再生装置の開発に焦点が当てられてきたが、未解決の問題点を解決するには別の方法があるかもしれない。フォイルスラットの利用による斬新な考え方が、再生装置の大きさと重さを削減する方法として提案されている「52」。漏れとシールの摩耗を削減するように設計された二種類の新しい形式の再生装置「53、54」に関しては上述のとおりである。第14図に示す考え方は、漏れを問題視しなくてよい方法で設計された多数のフレキシブル環状ディスクを組み込んでいる。この種のものは、ICR機関のインタークーラ及び再生装置に応用が可能で、当該機関では高圧比によってタービン出口温度がステンレススチールでも耐えられる水準まで減少しているのである。

 

熱交換器の比較

排気熱回収熱交換器を、特に小型ガスタービン用に利用して機関の効率を向上することが本論文の主題である。

 

 

 

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