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からカナダ東海岸に沿ってハドソン湾も含む北極海東部に至る全水域をカバーするために、そうしたデータ処理では地球コード化、数値化、その他の技法を採用した。処理後、8つのパラメータに対するこうしたデータは20海里平方のグリッド4307個に自動記入された。

 

4.研究結果

4.1 タンカー航法安全システムの開発

図3は、TNSS原型機によるリスク分析出力の一例を示す。この例では、「リスク・ブラウザー」表に氷塊による損壊確率、カナダ・ドルによる事故コスト範囲、136トンを超える石油漏れの確率が示されている。オペレータが航跡を選定すると、航跡の幾何学的特性と地理的データがウィンドウに表示される。環境データとしては、20年間のデータ収集期間に渡る平均気候条件、パラレル・インデックス技法により算定した浅瀬までの最短距離、 1カ月当たりの推定交通量などを採用した。

このシステムでは、カラー・グリッドや改良型記号表示法を使用して高リスク区域を示す高級製図法によるテーマ別マップも表示する。GIS(地理情報システム)技術を使用してタイプ別事故の空間分布図を作成し、各グリッド内またはその他の各境界領域内における事故発生件数を算定し、さらにレンジ別算定結果を総計する。その後、マップが更新され、高リスク区域がハイライト表示される。本プロジェクトの初期段階に収集された環境感度データもシステムに入力されるので、オペレータが検視できる。こうした情報はすべて、認識されたリスクを実リスクに置き換え、安全な航路ブラニングや意思決定を行うために使用されるものである。

 

 

 

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