象に至った。つまり、船舶が航路をはずれ、危険に瀕している場合に、船舶が座礁するのは、停止、方向転換、投錨もしくは危険回避に必要な時間が十分ない場合だけである。したがって、航跡上における衝突、座礁、追突もしくは氷塊による損壊などの危険は、人的変数や船舶特有の変数の他に、浅瀬までの距離、風、視界、海流など、多くの地球特有の変数にも左右される(図2、衝突確率過誤樹形図を参照されたい)。事故結果リスクは、事故タイプと事故が発生した環境に左右される。こうした事故結果リスクのモデル化では、各事象ごとにいくつかのコスト範囲を採用した簡単な事象樹形図を使用した。航法リスク・モデルのデータは、ルート選定システム・インターフェースを介してTNSSからアクセスした。このモデルは、各航跡ごとに事故リスク、コスト、感度情報を算定できるように統合化されたものである。
3.3 ルート選定システム
第一のリスク情報提供方法は、ルート選定システム・インターフェースを使用する方法である。リスク・モデルに導入する過去の航跡特有データを収集するため、MapBasicにデータ収集ルーチンをプログラミングし、オペレータによる航海プラン入力に応答させ、航跡特有の環境データ並びにコース(針路)及び航跡距離データを返送させることにした。原型機では縮尺1:1,000,000のベース・マップを採用していたが、海図も採用することができた。このリスク・モデルに使用した船舶配置情報、事故結果予測、定数などはAccessデータベースに格納し、完全統合化ずみのVisual Basicインターフェースにより検索できるようにした。