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過給機、エンジン性能を向上させる過給機技術の進歩

 

「2ストロークおよび4ストロークエンジンの開発は、単純かつコンパクトな過給機による圧力比、効率、体積流量の向上に役立つ」と、Doug Woodyardは述べている。

 

新型過給機2シリーズが、スイスに本拠を置くABB Turbo systems社により開発された。これら新型機は、現世代と将来の世代の低速、中速、高速エンジンに装備でき、売れ行きの良い同社のVTR、VTC、RRシリーズを補足するものである。

新型機の開発において、ABB Turbo社では過給機ユーザーの優先要求項目に取り組んだ。同社では、そうした優先項目として信頼性、構成部品の寿命延長、保守のしやすさを選定した。性能開発の目標では、効率化、圧縮圧力比の向上、空気の比流量増大化を中心にした。構造面に関しては、設計陣は、前世代よりも部品数が少なく、コスト効果の高いモジュール設計に基づき、単純かつ頑丈でコンパクトな構成を目指した。

広範な研究開発・試験計画の下で開発されたTPL、TPS両シリーズを合わせると、出力500kwから最高出力までの船舶推進用エンジンの過給機需要に対応できる。

TPL(Turbocharger Power Large)シリーズは、未来の4ストロークおよび2ストロークエンジンの出力範囲である過給機1機当たりlMW〜25MWを十分カバーできる。

ABB Turbo社では、TPLシリーズの特長として以下の点を挙げている。

■ 現在のVTR..4型過給機に比べ、構成部品数が1/6に削減化され、10〜20%小型化され、25〜30%軽量化されている。

■ 単純かつ頑丈でコンパクト。

■ コスト高の接続部を削減化するために、円形のガス吐出口と空気吸込口フランジを採用。

■ ラジアル型圧縮機:アキシャル型タービン。

■ エンジン潤滑油を注油する駆動側スリーブ軸受。

■ 現在使用中のABB社製最新型スリーブ軸受付き過給機30,000基余りの製造経験に基づく信頼性の高い軸受技術。

■ 過給機内または過給機上に水を使用しない非冷却型ケーシング。

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