タグボートの方は、パジェットサウンド川のような内陸水路とサンフランシスコ湾におけるタンカー護送業務条件に合わせて設計された。護送業務では、船舶支援作業への対応力と消防機能が必要になる。
改造エンジン装備のタグボートは、長距離の海洋曳船業務と船舶護送業務に使用でき、満載喫水線から国際航行業務向けに分類されている。
逆進タグボートのボラードけん引力は推定11万ポンドに達する。このタグボートは11万ガロンの最大燃料容量を有し、32日間の曳航も可能だ。
プロペラの操舵装置は、操舵室にある方位調整ハンドルで操縦する。タグボートは前進、後進、横移動を行えるので、船首と船尾にプロペラ角度インジケータが1対ずつ取り付けられている。
使用電源は、出力90kWのCaterpillar社製3304型発電機2基により供給される。配電には、Scott & Shaw社の配電盤を使用する。このメーカーは警報システムも提供している。主エンジン2基の間に設置されたDetroit Diesel社製12V-71型エンジンは、デッキに設置されたStang社製防火モニターに給水する3,000ガロン/分の用水ポンプに動力を供給する。Boss社製発泡消火システムも、石油タンカー火災に備えて設置されている。内部機械は炭酸ガス消火システムで防護される。
デッキの下には、シャワー/ヘッド装置2基、2人用乗員室3室、1人用乗員室1室、簡易食堂、全電気式調理室が配備されている。
甲板設備としては、タグボートの係船ロープと救命ボートを操作するNorth American Crane社製油圧式連接型デッキクレーン、Nordic Machine社製ヘッドウィンチ、Scullery Rubber社製化粧張りなどが装備されている。船舶支援用油圧駆動式ダブルドラム型ウィンチ/けん引用ウィンチは、Nordic Machine Manufacturing of Seattle社から納入されたもので、直径1-3/4インチ、長さ2,000フィートのワイヤロープと600フィートのワイヤ・ペナントを巻き上げる。その船舶支援用ドラムには、直径8インチ、長さ350フィートのPolydacron社製12線式より線ロープが巻き付けられている。
このタグボートは船幅36フィート、深さ16フィート7インチ、満載喫水14.5フィートの大型船だ。船倉容積は、通常航行時の燃料油98,500ガロンと用水6,950ガロン、長距離航行時のループ油1,938ガロン、油圧液2,000ガロン、下水2,000ガロン、ビルジ汚水2,000ガロン、廃油1,988ガロンを貯蔵できる。
船幅36フィートのこの大型タグボートの機関室は、歩き回れるほどの広さだ。公称左舷側の船首から船尾にかけては、出力1/3馬力のSears社製海水ポンプ数基、空調装置、Barn社製消火ポンプとビルジ・ポンプ、下水ポンプ、それに船尾隔壁上の廃油ポンプが配備されている。
右舷側には、出力1/3馬力のSears社製清水ポンプ、Alpha Laval社製燃料制御装置と燃料遠心分離機、燃料移送ポンプとマニホルド、ループ油ポンプが配備されている。