Pielstick社でもPA6型機関を改良し、補機用機関の最高出力を1気筒当たり445kW(600bhp)まで引き上げている。この改良型機関は主として短距離往復高速船向けに設計されたもので、主機の連続定格出力は1気筒当たり405kW(550bhp)に留まっている。順次ターボ過給方式を採用したV20型機は、連続定格出力が8,100kW(11,000bhp)と高いが、重量は42トン前後である。フランス海軍がこの改良型機関を数基購入したが、同社としては民間発注に期待している。
Lancing Marine社が市販しているNavistar社の最新型機関は、Marine Corporation of America社が船舶用に改造したものだ。この機関は、出力450kW(330bhp)の7.3リッター8気筒V形機関で、"Star Power"という商標名で販売されている。この機関も電子制御装置を備えているが、噴射方式が機械的ではなく、油圧式という点で特異なものである。
1015型機関は、Deutz AG社製機関の出力を高めたものだ。1気筒当たり2リッターの排気量を持つこのV形機関は、2,100回転/分において440kW(600bhp)という高い連続定格出力を出す。しかし、ターボ過給装置と中間冷却系統の研究開発が目下進められており、本年末までには出力560kWまたは580kW(760または790bhp)の機関が発表される予定だ。