日本財団 図書館


循環水回収

循環水は、暖凝縮液と海水との間のチタン管二次熱交換器(図4及び図5参照)を使用するダイレクト・コンタクト冷水霧コンデンサによって回収される。凝縮液内の希硫酸は炭酸バリウムを使って中和され、そして沈殿物が濾過される。硫酸塩は連続して(57ポンド/時)炭酸塩へ転換される。

 

最先端のサイクルにより達成される究極の性能は、部分的に、使用されるガスタービン技術(発火温度と圧縮比)の基本レベルで変わる。最新技術の空気力学を使って形成され、単一結晶として鋳造される最も進歩した合金で組み立てられ、最も効果的な熱バリヤ被覆で覆われ、進歩した冷却手法を使用したタービンブレードやベーンが必要である。ガスタービンのサイクル水蒸気温度上昇能力や水蒸気同化能力が調和し、最適化されねばならない。すなわち、タービンの「合格能力」設計が最適化された水蒸気/ガス・タービン機関内で期待される空気/水蒸気の体積流量組合せを受け入れねばならない。すでに述べたように独特に進歩したガスタービンで始まる最先端サイクル性能の利益は大きい。例えば、非常に進歩し(2600°F、23.2/1圧縮比)、高性能なGE Hサイクルでは、人口空気の正味サイクル、仕事率は1ポンド当り0.3252Mwe-秒であり、なおかつ化学理論が要求するよりもさらに241%増しの空気が処理されることを必要とする。すなわち、もし酸素が水蒸気希釈や二次燃焼によって燃焼される場合は、解放される熱のエネルギーは2.41倍大きくなるであろう。仕事率は、熱の効率と酸素燃焼の効率との積へ空気1ポンド当り1.308Mwt-秒の化学理論的熱解放を乗じたものである。

酸素は燃焼できるのか?水蒸気噴射を増大して効率は維持できるものか?はじめに、燃焼室内への水蒸気の噴射は動力出力と効率とを同時に増大させ、(水蒸気はコンプレッサ動作用の控除と、そして燃焼室へ入る前の最大予熱を必要としない)そして残りの酸素の追加分を燃焼させる。結局、余分な水蒸気の温度が無効果に高められ(過熱ではなく)て大きい熱力学的損失を生じるときは、

サイクルの熱効率がピークに達し、そしてさらなる水蒸気噴射とともに低下する。パワーの増大についてのいくつかの疑問が提出される:GE Hサイクルは蒸気タービンに比べての水蒸気噴射式ガスタービンの高性能をオファできるのか? もし再熱がオプションであった場合は(この機関には存在しない)、酸素は蒸気噴射で燃焼できるのか、そして適度の二次発火温度は?効率は現在達成した60%のサイクル効率を超えるか? そしてGEへ直接関係する疑問は:蒸気サイクルを代替の水蒸気噴射へ置き換えた装置の経済全体へ及ぶ影響は? 舶用機関の水蒸気噴射と再熱によって酸素が消費される場合、どんなサイズの機関(空気流)ならば9.3Mwsの巡行動力を供給できるか? 効率を50%と仮定して、必要な空気流は9.3/.5/1.308=14.22ポンド/秒、すなわち、非常に小さい機関となる。以下の研究は、最先端ではない水蒸気噴射式、再熱サイクルを使用した初期の機関について報告する。ピークサイクル効率は43.68%と測定され、最大出力での化学理論効率は35.17%であった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION