マスター/スレーブの概念
高度に自動化された「マスター」護衛船から遠隔制御される、無人「スレーブ・シップ」の護送船団が日本とドイツで提案された。そうした概念は修理と海賊行為の問題を解決する。しかし、マスター・シップ上のそれと同じ乗組員を有する上台の大型船の方がより一層簡単であり、かつより一層経済的である。
実用性
技術的な実用性についての詳細な分析は現在調査中の主題である。しかしながら、すでに実用途上にあるものにも多くの技術的障害が存在する。
もちろん、これらのシステムの全てが無人化船を運航するための完全なシステムを形成するとはかぎらない。異なるシステムどうしの間の知能的接続やその他のいくつかの重要なリンクがまだ見つかっていない。
例えば、航海の分野で船舶を充分な精度で位置決めすること(CPS,ARPA等)には問題がないが、そのシステムが国際的な衝突防止規則(anti-collision rules)へ適合できるに必要な精度で他の船舶を識別することはできない。
この問題の解決策としてビデオカメラとパターン認識とを使用する日本の意図はまだ成功を見ていない。ターゲットセンサー技術のさらなる改良が必要であるように見受けられる。他方、ラジオトランスポンダーシステムは現在の問題の大部分を解決するであろう。どのみち、国際的な衝突防止規則が新たに討議されねばならないであろう。
概して言えば、トランスポータシステムまたは新たな衝突防止規則が存在しなくても、純粋な航海問題は無人化船創造の障害とはならない。自動衝突回避システムを装備した実船を使っての実験が東京湾近くの交通量の密なエリアで行なわれた。
この船は混雑する海上交通内を安全に操舵し、全ての衝突リスクの問題を解決した。回避の判断と行動が無理なく行なわれた。その後の改良の結実として「SuperBridge」システムがVLCC「Cosmo Delphinus」へ装着された。
「SuperBridge」はシステムの判断について人間の確認を必要とする助言システムであり、そしてこの種のシステムの導入の第一歩となるものである。次のステップではもちろん外洋での無人ブリッジへ進む(システムが警報を発した場合にアクションを取るための「fireman」のみがブリッジへ残ることになる)であろう。究極的には、そうしたシステムの常時使用が交通過密水域でも可能に思われる。類似したシステムは海軍艦艇にも採用可能である。
完全自動化の停泊/無停泊を伴う埠頭から埠頭への輸送はさらなる問題を派生し、そしてそれらの問題は船舶側からのみでは解決できない。自動化停泊は次のように働くことになるであろう。電気光学システムが停泊位置までの距離と、相対角度を測定し、そして停泊位置上のターゲットプロジェクタが光学的な案内信号を送信する。
自動化繋留と投錨は別の問題となる。日本の「Intelligent Ship Project」はこの目的のための基