(HANSA - Schiffahrt - Hafen - 134. Jahrgang 1997年 No.2)
4.船舶の自動化-実現可能なインテリジェント無人化船
CW-カールマルクスの時代から、仕事を失うことを懸念する人々を無視して自動化の可能性を論じることは明白に不可能である。開発の頂点にいる人は決して仕事を失うことはないと主張しても、あるいは走行している列車を停止させることを試みる人は生れながらの落伍者であると主張しても無意味である。しかし、「インテリジェントで安全な無人化」という行先に向かって走っているのは列車であろうか、それとも船舶であろうか? 無人化船はすでに実現可能であり、とりわけコンテナ出荷に要求が多いので、きっと実現されるであろうとわれわれは考えている。
需 要
約30年前には、一般的な貨物船は40ないし60人の乗組員で航行することが常であった。船長は全ての面で会社の代表であり、そして乗組員は全ての整備・修理作業を行なってきた。船舶は重大な損害、船底清掃、塗装、等の場合のみに造船所へ入った。この活動ラインは、自分の唯一のチャンスが商船へ乗組んで外国へ行き、いくらかの金銭を稼ぐことにあると考える比較的低収入な若者たちの割合の高い海運国に未だに共通している。これが例えば、ギリシャ人が時代遅れの中古の船舶を運航することの方を選んだ主な理由であり、そして伝統的活動ラインが一夜で変わることはないので、これは未だに開発途上国に共通した思想であり、そしてそれが世界的な不定期航海での大きな位置を占めている。したがって次世代も未だ伝統的な船舶や船乗りを伝統的な専門職のイメージで見ていることであろう。
他方において、高賃金の産業先進国では、技術開発(情報技術、船舶、港湾、航行技術、その他さまざまな)とコンテナ快速出荷が、異次元への可能性を拓いた。オーナーのために全ての必要な決定をすることが可能であり、かつそうすることを強いられる船長が船上に留まることの必要は、相当以前からなくなっており、そして航海中に全ての整備や修理作業を実施する必要もなくなっている。それゆえに、精巧な、専門化され、乗組員の人数を減らした船舶への需要が増してきた。そして、海運の全範囲でそうした開発が論争の主題となってきた。
この需要に対するドイツの回答として1970年代の始めに発表されたのが「Schiff der Zukunft」であった(約18人の乗組員に減少)。もちろん、この開発は乗組員のランクをも減らした(大幅な管理機能が陸上へ移された)。そして、奇妙にも、船長と上級船員が従来よりも一層の教育――主として精巧化された船舶に関しての教育――を受けねばならなくなった。この開発が任務に関しての認定の問題を生じることは明らかであり、必然的に要員に大きな動揺を生じる。船主は大きな動揺を嘆くばかりでなく、乗組員の減員の途を選ぶか(開発を受け入れて)、それとも低い教育、低い賃金、より簡単な船舶技術に後退する途を選ぶか、苦渋の選択を強いられる。後者を選択するとしても、問題が将来に持ち越されるに過ぎないことになる。