ケーシング・カバーと渦形室との間のシール
この固定シールもまたO-リングを利用したシールである。抜き出し式であるため組み付けが非常に容易であり、整備も楽に行える。
固定式ウエアリング
このポンプのサイズは常に、ポンプケーシング内部及びケーシングカバー内部の固定式ウエアリングでフィットアウトされる。
固定式ウエアリングはSIMSITEで造られており、設計上の観点からプレス嵌めでは不充分であるため、ねじでロックされている。金属製の固定式ウエアリングは一般的に通常のプレス嵌めで固定される。
抜き出し式ユニット
二重エントリ・インペラは単一エントリ・インペラよりもシャフト上の長さが大きく、したがって抜き出し式ユニットも比較的長くなる。
「抜き出し式ユニット設計」とは一般に、抜き出し式ユニットが取り外されたときには配管はベースプレートに固定されたポンプのケーシングに固定されたまま残ることを意味する。また、電動機はポンプのランタン上に残る。ある長さのスペーサ形継手によって、抜き出し式ユニットの取り付け、取外しが可能となっている。
このサイズの300-250/01ポンプの設計原理もまた抜き出し式ユニット設計を主眼としている。しかし、抜き出し式ユニットは非常に長いので、スペーサの長さとしてポンプの全高に達する長さが要求され、そして電動機の重心もまた非常に高くなる。したがって、荒海上での船舶の運動はポンプに大きい応力を及ぼす。
こうした短所を考慮に入れ、抜き出し式ユニットを取り出すには電動機とポンプのランタンが取り外されねばならないとする方針で設計を実現することが決定された。
この設計解法によりポンプ全高の可能最小化へとつながり、上記の短所の全ての解決に至った。
継 手
抜き出し式ユニット設計の結果として、スペーサ式の継手は不要となる。
ポンプ・ケーシングとポンプのランタン、電動機の間の整合手順を不要にするためたわみ継手設計としてゴム継手が選択された。
この継手設計によって、作動性能に悪影響を生じない程度の整合外れ(ポンプシャフト中心線と電動機シャフト中心線の間の角度、ならびにそれら2軸の若干の同心ずれ)は許容される。
これは、整備の面からみて、船舶上での抜き出し式ユニットの取り付け、取外しに関して非常に重要な事項である。
材 料
NIM 300-250/01とSIM 300-250/01の材料等級を図11に示す。