極の数がモータ効率へ及ぼす影響を示す。この結果は、選択された材料を使った所定のジオメトリー内でPM極数の最適値が存在することを示す。図9cには、異なるSARsについて計算された軸方向の空隙磁束密度を示す。これらの結果からSARの関数としての磁束密度の変動を比較できる。磁束密度の急激な変化が大きなcogging力の変動を生じ、それが固定子と回転子との間のstray力となる。この結果はまた円滑作動と出力トルクあるいは馬力との間の取捨選択考量をも示す。図9dには、異なるSARsについての出力(馬力)とモータ速度との関係の計算結果を示す。この結果は高速度においては、電磁気損失とリークとが主に影響することを示す;SARの変動はほとんど影響しない。
モータPM/ポンプベーン
分析の進行とともにベーン形状を変えた。最初は、くさび形ベーンを使用したが、後からは典型的なインペラ・ベーンの実際の形状を反映させるためにより一層流体動力学的形状へと発展させた。FEAモデルが丸みをつけた内縁と鋭い外縁の両エリア内要素に細かい網目を含むように改造されるまで、モデリング精度に問題を生じた(図6a)。図10にはFEAを使った電磁気の取捨選択考量研究中の回転子PMベーンの回転を示す。図11には回転子PMベーン形状の関数としての空隙磁束密度のFEAモデリング結果を示す。従来の軸界磁モータ回転子は図10のAに示すようなPM形状を有していた。これらの結果は水力学を考慮しなくても、最大空隙磁束密度を得るために回転子PM形状が重要なパラメータであることを示す。流体動力学的な見地から最も効率的なベーン形状を決定するためには完全な分析が実施されねばならない。
SLAを使用する迅速試作化
コンピュータ支援生産(CAM)への強力なアプローチであるSLAは、最新技術の迅速試作化を先導し、そして明白に視覚化、実感される重要な新概念をもたらす。I―DEASマスターシリーズ・ソフトウエアを使って統合モータ/ポンプのソリッドモデルが作られた。コンピュータモデルは3つの目的に役立った:(1)概念の視覚化と動画を可能にし、(2)ANSYSマグネチック・ソルバーを使うFEA用に直接使用され、(3)物理的試作品の発生用フォーマットへ直接翻訳される。この研究に使用するSLAは米海軍水中戦センターDivision Newport(コード40,Engineering and Technical Settices Department)から入手可能である。試作品は感光性液体(Cibatool SL-5154アクリル酸塩)樹脂を硬化させるために走査レーザービームを利用するSLA-500機械を使って造られた。精度と強度が向上した新しいエポキシ樹脂(Cibatool SL-5180)も利用可能になった。
レーザー制御パスを発生するために、コンピュータ支援設計(CAM)固体モデルがシステムにより直接使用される。迅速試作化能力が概念段階から出発して最終製品に至るまでの費用効果の良い方法を使った研究開発の共通性をもたらす。この開発方法は新たな概念を他のエンジニアへ伝える助けとなるところが大きかった。