る:(1)単一回転子付き単一固定子、(2)単一回転子付き二重固定子、(3)二重回転子付き単一固定子である。たいていの軸界磁であるPMモータ形状では、回転子PMからの一次磁束は軸方向の空隙を横断する。回転子は軸状に磁化されるPMブロックを含んだ円盤構造であるので、軸界磁形状の長所は円盤構造内へPMsを保持するPM保持リングが主磁気回路の一部になっていないことである。
この論文で触れる二重空隙、軸界磁のPMモータは単一回転子付き二重固定子構造である。単純化した二重空隙、軸界磁のPMモータを図3に示す。回転子にはチタンのような非磁性材料が用いられ、それにPMsが付く。固定子は電流導体が放射状に配列され、固定子間の溝に適切なエンドターンと接続が納められる。
軸界磁モータは回転子と固定子間の空隙が回転軸と垂直な面をなすように形付けられる。主なPM磁束は軸方向の空隙を横切る。PMsはその極面が空隙面と面一になるよう配置されねばならないので、空隙の磁束密度はPMの作動磁束密度に比例する。したがって、永久磁束密度の大きい磁気材料(Nd-B-Feのような)を使用することは高トルクを得る上で有利である。
永久磁石モータ技術のポンプへの応用
図4aには従来形のインペラ(Harrington,1992)を示し、図4bにはこの研究で触れるPMインペラ(二重吸引、放射流、閉止インペラ)をその裏板を外した状態で示す。図3と図4とを比較することによって、軸界磁モータと統合モータ/ポンプとは、PMsの形状と回転子の構造が違うにすぎないことが解る。両者の固定子は同一である(図2及び図3参照)。
軸界磁モータ構造用の一般的なPM回転子の設計の目的は、回転子と固定子により生じる2つの磁界が完全適合するようPM断面積の固定子巻線との最大整合を達成することにある。統合モータ/ポンプ・システムの設計においては、PM/固定子の整合のみでなく、ポンピング効果を最大にする最適な形状をも考慮に入れねばならない。
軸界磁モータで、回転子構造の主な機能はPMsの保持器としての役割を果たすことである;回転子は回転運動の機械的な応力に耐えることができねばならない。統合モータ/ポンプ・回転子では、PMブレードの各端に2枚のエンドプレートが取り付けられている。図5aはインペラと固定子の断面を示す。インペラは2枚の裏板へ取り付けられた多数のベーンから成る。モータ固定子巻線の近くのベーンの放射状領域はPM材料で造られている。
この研究の主な作業は電磁気的見地と流体動力学的見地との両方でPM回転子/インペラの可能性を判定することにある。所定の回転速度において指定された容量とヘッドをもたらすために必要なベーンの数と形とを決定するための詳細な流体動力学的分析を実施中である。PMブレードの極性は、固定子の歯や溝がPMベーンの曲がり角度と同じだけ傾けられれば、単一断面に作ることができる。単一PMベーン内には2つの扇形が存在する:S極とN極(図5bを参照)。各ベーンは少なくとも6つの歯をカバーする。従来の3相、PMモータでは、PM極は少なくとも3歯をカバーする;したがって、単一極は2つの扇形をカバーする。
インペラの各角張った扇形(図5b)へは単一な磁気極性を割り当てられる。極性は隣接する扇形