残り10個の実寸径で長さが短かい試作品は、内部圧力、外部圧力、そして組み合わせ荷重の様々なテストに供された。この実証実験により、必要な構造強度性能を有する複合材の設計とその設計手法の有効性について予備的ながら十分な評価が出来ると考える。この予備実験の成果や今後引き続き範囲を拡げて実施される実験について、別途この会議に含まれている論文に詳しく述べる。
結論
本CPRプロジェクトは、NISF/ATPの支援の下で、海洋向けの新しい製品を企業が共同で開発しようとするものである。樹脂強化ポリマー複合材料TLP用の生産ライザーを設計/製作/試験/信頼性検証するという本計画の目的に向け、大きな進展が得られた。機能/操作および構造上のニーズは、エンドユーザー側より提示された。高度な複合材構造やネジ式の鋼製継ぎ手に、確立した設計手法を用いる事で、計画のコスト/重量および性能目標に見合ってバランスの取れたCPRの設計を作り出す事が出来た。このCPRは現在検証試験中であるが、軸方向引張り強度は十分で、設計方針が正しかった事が確認されている。このNISF/ATP CPRプロジェクトでは、求められる製品の効率良い開発に向けた、参加各企業の協力、高い能力が内外に示された。
<参考>
[1]Robinson,E.Y.「複合材圧力容器の長期応力破壊に関する設計予測」
航空宇宙報告No.ATR-98(2743)-1、第9回樹脂複合材構造設計会議
(1991.11月、ネバダ)