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Marsリスク管理実施計画の実施

Marsリスク管理実施計画の作業を以下に詳しく述べる。

1. リスク管理技術者(RME)はプロジェクト承認前に選任され、上甲板構造物設計チームの不可欠な一員になった。彼の作業の成果を以下に述べる。

a) ヒューマン・エラーを排除する目標のために、RMEは、設計での人的要素エンジニアリング(HFE)に関わるあらゆる面を設計に組み入れるために、HFEコンサルタントが設計チームの中で作業することを確保した。これらの作業については、上述の「実施計画」第5項で論評されている。

b) 材料及び設計の欠点のない上甲板構造物と上甲板構造物設計の目標のために、RMEはプロジェクト用の品質プログラム(quality program)の実施を考え出した。この品質プログラムは、プロジェクトの設計及び製作段階を包含した。RMEがその方法論と範囲を明確にした後、一人の技術者がその品質プログラムを実施するためにプロジェクト・チームに加わった。

c) 事故発生・拡大を最小限にするための配置、設備及び材料の目標を満たすため、RMEがプロジェクト設計において主要な役割を担った。以上の3項目の成果について以下の通り論評されている。

i) 配置に関して、RMEは、処理設備を居住区及が生活設備から分離することを設計チームを委任し(obtained design team buy-in to...)、変更管理プロセス(Management of Change Process)によってその分離を維持した。

ii) 設備に関して、RMEは、消散するための解放を認めることによってリスクを最小限にする開放・非閉鎖型の設計を行うことを設計チーム及びオペレーション部門に委任した。防火・防爆壁は、このコンセプトに基づき設計から除かれた。

iii) 材料に関して、RMEは、プラットフォーム引火性液体システムの耐火性、耐食性、耐久性及び費用の最適組み合わせを決定するためのエンジニアリング研究を監督した。RMEは、費用対効果分析は別として、TLP又は個々の坑井の損失の可能性が受入れ難く、軽減されるべきであるというコンセプトのために、管理の雇い入れを提案し、受け入れられた。これは結果として、TLP又は個々の坑井の損失になりかねない如何なる構造的構成要素も、設計で想定される火災の間中、受動型防火(PFP:Passive Fire Protection)によって防護されるという評価基準となる。RMEと構造技術者は研究の助けを得て、PFPシステムを選択した。彼らは、PFPベンダー、契約方策及び据付けコントラクターの選択のために、エンジニアリング・建造チームに参加した。

d) 危険警報・停止システム及び危険警報システムにおける冗長性の領域におけるRMEの作業は、予備危険分析で指摘された外部領域のガス・火災探知のコンセプトに関してプロジェクト・チームに委任することに向けられた。RMEは、自動ブローダウンや停止に関して、交差してゾーン化された多機能のコンセプトを開発した。そのコンセプトは、プラットフォームにおける閉鎖に関する従来の機能を維持するために、典型的な緊急時支持システム、緊急時停止(ESD:

 

 

 

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