? 結び
米国造船業は従来、商船建造では競争力に欠けていた。業界の文化を変革しなければならないという認識がある。外航船建造の国際市場で競合するためには、納期の厳守、工作の質の高さ、生産性向上が必要とされる。
米国造船業は設備投資を続け、生産性向上により競争力強化に努力を傾けている。技術移転、インフラ拡充、設備投資等により、民間造船所は今後も新設計の開発、マーケティング計画、設備近代化に取り組んで行く。これらの努力により世界造船市場で競争力を確保できるものと期待されている。肝腎なことは、サプライアーを含めた造船インフラの総体を充実させ、造船所経営者、労働者が緊密に協力し、それによって質の高い船舶を高いコスト・パフォーマンスで建造する態勢を整えることである。
米国造船業が、質の高い商船を建造する能力を獲得することは可能である。今後の経済見通しは、業界にチャンスがあることを示している。しかしそのためには規律、すぐれた経営、効率の達成が不可欠である。
