? 造船関係国際協力の現状
我が国は従来より各国に対し政府資金による技術協力及び資金協力を実施している。そのうち、無償資金協力、技術協力(開発調査、専門家派遣、研修員の受入)についてはJICA(Japan International Cooperation Agency)を、有償資金協力(円借款)についてはOECF(The Overseas Economic Cooperation Fund)をそれぞれ窓口として行っている。
1. 造船関係資金協力
造船関係の資金協力として、従来から我が国は、フェリー、内航貨物船、作業船、訓練船等の船舶、舶用機関、船員教育機材等に無償供与を実施している。また、開発途上国における修繕用造船所建設、船舶建造等についても円借款の供与を行っている(表?-1参照)。
2. 造船関係技術協力
政府ベースによる造船関係技術協力としては、?開発調査の実施、?技術指導のための専門家派遣、?研修員の受入等がある。
開発調査に関しては、造船に関する基本政策及び海上安全管理計画の策定並びに船舶建造、修繕用造船所建設及び海運学校整備等に関するF/S(Feasibility Study)のための調査団を多数の国へ派遣した(表?-2参照)。
また、技術指導に関して、造船政策及び船舶安全政策に係わる助言並びに船舶検査の改善及び造船所の経営管理・造船技術レベル向上等のための専門家を派遣している(表?-3参照)。
研修員の受入は、JICAを窓口に行われているが、造船関係分野の受入先としては、海外の造船技術者等の研修及び造船に関するコンサルタント業務を行う機関として設立されたOSCC(Overseas Shipbuilding Cooperation Center)がある。
現在、OSCCでは、船舶の造船技術、船舶検査、船舶の安全性向上のための技術及び船舶の保守管理技術等の修得を行う「船舶安全・海洋汚染防止コース(期間12カ月)」(1995年度より従来の「船舶建造メンテナンスコース」を改組した。)及び中堅幹部を対象として経営管理、品質管理等について研修を行う「造船経営管理セミナー(期間2カ月)」の2コースについて集団研修を実施している(表?-4及び?-5参照)。