(5)業界VANの利用例
?全国農業協同組合連合会「系統経済事業情報ネット」
10年来の懸案事項であり全農が強力に押し進めて来た大規模ネットワーク「系統経済事業情報ネット」は、全農と県経済連関、全農と農協・組合員間の情報ネットワークとして、いよいよ最終段階に近づきつつある。これにより、全農は、あらゆる社内情報を有効かつ戦略的に活用することができるようになる。巨大農業VANの完成である。
扱う情報量の多寡が構築すべきネットワークの規模(回線の太さ)を決定付ける。たとえ、このような大規模ネットワークを構築したとしても、従来システムと比較した場合には、計り知れない通信コストの削減効果が期待できる。
?(株)プラネット「日用品業界VANプラネット」
日用品・化粧品業界の業界VANである。運営会社プラネットは、業界大手の出資により1985年に設立された。紆余曲折を経て最大手の花王が96年4月に参加表明したことにより、名実ともに業界統一VANとなった。このため、さらに、参加企業をベットフード、乾電池など拡大しようとしている。資材調達EDIへの参加を要請しながら、川下・川上の企業への拡大にも取り組んでいる。
また、一方では、専用線利用のVANには接続できないような中小卸向けに、インターネットを利用したオンライン受発注システムの実験を開始している。
取引データの電子化により、業界レベルでの業務効率化が一度実現すると、それが引き金となって、次から次へと隣接する業界に影響を及ばし、ついには産業界全体が標準化されて行くことになる。好むと好まざるとにかかわらず、次第に電子化・情報化の波に巻き込まれ行くことになる。