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(3)ファクシミリ通信網の利用例

?日本商工会議所「Fネットによる一斉同報配信」

日本商工会議所では、NTTが提供するファクシミリ通信サービス「Fネット」を導入して、会員への郵便連絡をファクシミリによる一斉同報配信に置き換えることで、連絡事務の飛躍的な効率化を実現した。また、文書の送達管理がページ単位で可能なこと、通信料の大幅な節約にも貢献している。

さらに、マークシート方式のアンケート用紙をファクシミリ配信し、その回答をFネットで返送してもらうことで、短期間でのアンケート調査の実施も可能になった。これは、商工会議所早期景気観測システムにも活かされている。

パソコンは未導入であっても、ほとんどの企業にファクシミリは普及済みである。ファクシミリを活かした情報配信システムであれば、中小規模の企業にも無理なく受け入れてもらえるであろう。

?オークコーポレイション「中小建設業者対象の自治体入札情報提供」

中小建設業者向け許認可申請手続き代行を行ってきたオーク事務所は、約8000社の顧客から多くの要望が寄せられた「工事入札情報」の提供をファクシミリ通信網を利用して実施することにし、新会社オークコーポレイションを設立した。

都内約200ケ所の掲示板に表示される入札情報をアルバイトを使って収集し、建設業種毎あるいは官公庁毎に分類して、翌朝、ファクシミリ配信する。

顧客対象及び情報内容を非常に限定的に絞った点、情報収集には人手がかかるが加工・配信にはそれほど手間がかからない点など、事業としての採算性の可能性が高い。特に、既存顧客の要望をベースにして事業立案している点が参考になろう。

 

 

 

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