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(ホ)シャントを併用する場合

測定しようとする電流が流れる回路に,その電流に十分耐える,なるべく短い電線を使用し,4・29図のようにシャントを直列に接続する。次にシャントに(+),(-)の極性を合わせて電流計を並列に接続する。

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2)抵抗の計測

抵抗計の使用方法は,その目的によって2つに分けられる。第1は抵抗器や回路などの抵抗値を求める場合,他は回路やその部分などの導通状態を調べる場合である。一般にはサーキットテスタが使用されるが容量の大きいものや絶縁抵抗の計測には絶縁抵抗計(メガー)が使用される。

注?機器の回路抵抗,絶縁抵抗を測定するときには必ず電源を切ってから測定する(測定ラインの電流をOFFにする)。また,コンデンサーを含む回路では,電荷を放電させてから測定する。

?導通テストのときには電圧のかかったままテストしないこと。

3)バッテリテスター

バッテリの放電状況を色別目盛でしめした計器である。

測定順序

?バッテリ容量(AH)に合わせてダイヤルをセットする。

?バッテリの(+)端子には,赤のテストリードを(-)端子には,黒のテストリードをセットする。

?テストボタンを5秒間押して測定する。放電するため,10秒以上ボタンを押さないように注意する。

2.17動力の測定器

機関の軸出力を測定する装置を動力計と呼ぶ。装置の内部で動力を消費させ,動力計にかかる回転モーメントを測定にすることによって,軸出力を求める形式を吸収動力計という。また,機関から動力を伝達する途中で,軸のねじれなどを利用して軸出力を測定する形式を伝達動力計という。

1)プロニー・ブレーキ

動力を吸収するため,個体摩擦を利用したもっとも簡単な動力計である。動力はフライホイルまたはクラッチ軸に取りつけたブレーキ胴をブレーキ片ではさみ,バネで締めつけ,その制動力を秤で計測し,出力を算出する。

2)水動力計

動力を吸収させるために,固定側と回転側との水の内部摩擦や,うず状の流れを利用する水動力計は,制動力も安定し,大出力用も比較的安価であるため広く利用されている。

3)電気動力計

電気動力計は機関の出力を電力に換える一種の発電機で,直流式と交流式とがある。電気動力計は制動力の安定もよく,制御も簡単であるが,高価である。

4)空気動力計

ファンまたはプロペラを機関に直結して回転させ,動力を吸収する形式の動力計を空気動力計という。ファンの特性をあらかじめ検定しておき,回転速度を測定することによって出力が算出できる。制動力を任意に変えることは一般にできない。したがって,耐久運転などのように,一定負荷で長時間運転をするときなどに用いられることが多い。

 

 

 

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